ここまで圧倒的人気のソロ歌手は、この先出てこないだろう
トレンド狙いで感想書くにはちょっと遅れすぎましたが、浜崎あゆみがの暴露本とも言われている「M 愛すべき人がいて」を読んだので、その感想を残しておきたいなと思います。
わたし自身はさほどの彼女のファンだった時期はありませんでした。
浜崎あゆみが絶頂期の頃、まだ小学生だったので・・・でもファンじゃなくても知ってる曲は何曲もあってそう思うと改めてこれ以上のソロ歌手っていうのはこれから出てこないんじゃないと思ったりもします。
そこまでファンじゃないとはいえ、アイドルとかアーティストの舞台裏とかオーディション番組が大好きなので、この本もニュースで知ってすぐに買って読みました。
ちなみにここから先はネタバレ含むので絶対にネタバレして欲しくない人は、読んでから戻ってきてください。
誰か1人に向けて書けは本当だった
この本のストーリーについては、ざっくりいうと人気絶頂のときあゆはプロデューサーの松浦さんと付き合っていたよ、というお話です。
んで、全くの未経験ながらあゆはほぼ全ての曲の歌詞を書いているのですが、その歌詞の内容は松浦さんに宛てたものでしたというのです。
これはまあまあ衝撃的ですよね。
もちろん誰宛に書くかは自由、自分とは無関係の物語として書くもあり。
だけど人の心を動かすには、誰か1人に宛てて書くのが良いってのが机上の空論ではなく本当に大事なんだなってのを一番実感させられたってのがわたしの感想だった。
結婚式での新婦の手紙はなぜ感動するのでしょうか。って記事にも詳しく書いたけど、誰か1人に宛てて書くからこそ、見てる人も涙ぐむほど感動したり、感情移入をするのだろう。
例え自分宛に書かれていなかったとしても。
もちろんこの本の内容に関してネット上では賛否両論あった。
「青春時代の思い出の曲を汚さないでください」
とか
「そんな裏話知りたくなかった」
とか。
でも松浦さんの存在がなければ歌詞も生まれていないわけで、その矛盾の中に生きているのが面白いなと思った。
でも歌手とか小説家のほとんどが自分の話じゃないのかな?笑
じゃないとよっぽどの取材力がない限りそんな詳しく書けないと思うし、感情が乗るからそれが受け取った人にも伝わるのだと思う。
マーケティング目線で言えば、誰でもいいから実在する誰か1人決めてその人に向けて届けるってのは本当に本当に大事なんだろうな。
しかも若干二十歳にしておそらくそんなことも知らないあゆが、無意識レベルで数百億を稼ぐ出すキャラクターとして、たった1人に向けて心のこもった歌詞を書いていたとは・・・天才だなと思った。
そしてそれを天才だよって認めてくれる人と出会えたのも、また運を掴む力を持ってるなと。
チャンスを掴むにはルールを守るだけじゃダメ!?
あとはチャンスって真面目にいい子ちゃんで生きてるだけで掴むのは、なかなか難しいのかもしれないというのも感じた。
というのもこの小説の中でのあゆは未成年でありながら、当時行列ができるほどのクラブ?のVIPルームで松浦氏と出会っているのだwww
彼女は別の事務所に入っているもののなかなか仕事ももらえず、自分のやりたいこともわからない。
そんな中世界を広げてくれたのが、未成年でVIPルームだったという紛れも無い事実。笑
今だから言える話だと思うけどこういうのってよくあることだと感じた。
がんばることは大事だけど、ひたすらレッスンしてオーディション受けまくって努力する以外に、こうやってプロデューサーと直接知り合ったからこそ今がある。
そこで選ばれるかはもちろん運だけで行けるわけじゃないけど、世の中ってそういうものだとも思った。
この2人が出会えていなければ、音楽も生まれていな畔、曲で救われることもなかったわけで。。。
それともう1つすごいと思ったのは、芸能人として仕事で忙しいわけでもなかったのに、後ろ盾をなくすために高校までやめちゃってるってこと。
そして今まで所属してた事務所もクビになって・・・それを正直に松浦氏に行ったことでうちに来るか?となったと。性格にもよるだろうけど、背水の陣だからこそ助けてくれる人に巡り会えるというのはあるのかもしれない。
わたしの中の謎が解けた
浜崎あゆみのファンではなかったけど、ずっと不思議に思っていたことがある。
あゆは人気絶頂で、可愛くてスタイルも良くて、お金も持っていて。一見この世の何もかもを20代前半にして手に入れたかのように見えていた。
なのになぜ普通の女子高生が共感できる歌詞を書き続けることができたのか・・・?
これはずっと疑問に感じていた。西野カナとかもそうだけど、彼女の場合は人気が出ても庶民感があるし地元の友達ともよく会っていたようなのでなんとなくわかるが。
それは松浦氏との失恋だったり、だんだん自分のことが好きじゃなくなった感、好きな人のためにがんばりたいという恋愛感情だけは、普通の女の子と同じ感覚だったからなのかもしれない。
多分恋愛まで上手くいってたら?同世代の男の子からはモテモテだろうし?
でももしそうだったら彼女の歌詞はここまで共感されていなかったと思う。
女子高生たちの心を動かすことはできなかったと思う。
皮肉なもので、あゆですら手に入らないことの悲しみ知っていたからこそ、書けた歌詞なんだと思う。
恋愛の曲ってハッピーハッピーってやつよりも西野カナの会いたくて会いたくて震える、みたいな感傷に浸れる曲の方が思い出になったりしますもんね・・・笑
ということで個人的にはこの書籍、自分なりに色々思いを巡らせて読んでみると本当におもしろかったです。
多分ガチファンだったらあのときのあゆはそうだったんだ・・・って感じで嫌な感じもあると思う。
でも人間の物語として、自分ができないこと、コンプレックス、そこからの悲痛な思いがときに日本中の人たちを動かすパワーを秘めているのだと感じた。
誰か1人のためにわたしも書いていきたいですね。
この書籍が世に出た理由とは?
この書籍が世にリリースされた理由は最初の方にも書かれていたんですが、40代からの浜崎あゆみのロードマップの1つとして、これからも歌い続けていくための布石だと紹介されていました。
まだ誰も成し遂げたことのないアーティストのかたちをつくっていくためにだそうです。
そのためにあえて私生活や過去のことも暴露して、もう一度浜崎あゆみのことを思い出してもらおうってことなんですかね。
実際にこの本を機に、また曲を聴いたり PVを見た人もたくさんいると思います。
ちなみにこの本の内容はドラマ化されるそうです。
しかも第二の浜崎あゆみ的な若い歌手があゆの役を演じるみたいで、これからのエイベックスのプロモーションとかもどんな感じでワクワクさせてくれるのだろうとちょっと楽しみです。