こんばんは!
石原さとみさんとの報道でも話題のSHOWROOM代表の前田裕二さんの処女作「人生の勝算」の見どころ、特に自分でビジネスをしていきたい!副業をしてみたい!
そんな人たちに役立つと思ったポイントをまとめてみました。
書籍の中にはかなり具体的なエピソードも詰まっているので、ぜひ書籍を読んでみてほしいです。
あと「人生の勝算」が他の自己啓発本やビジネス本とは明確に違っているとこは、全て前田さん自身が実践されたことで構成されているという点です。
わたしとさほど年も変わらず見た目もイケメンで、UBS証券のニューヨーク支社で活躍、そのあとSHOWROOM立ち上げなんてかっこよすぎる経歴でしょ、恵まれた人なんだなあなんて思ってました。
圧倒的不利な子ども時代
しかしその予想は本を読みだしてすぐに崩れ去りました。
父は物心ついた時からおらず、母は小学生の時に死別。
親戚の家をたらい回しにされ、結局は10歳上の兄と二人暮らしに。
小学生でも生きていくためにお金を稼ぐ手段として、路上でギターの弾き語りを始めたというのです。
勝手に想像していたイメージとは違いすぎて、こんなにも圧倒的に不利な状況からここまでくる前田さんの生き方に好奇心を惹きつけられました。
人は絆にお金を払うという気づき
この書籍の最初のチャプターは「人は絆にお金を払う」というテーマでした。
IT企業経営者なのに絆ってなんだか意外だなと思ったのが第一印象だったのですが、これはまさに小学生の路上ライブという経験からの気づきだったそうです。
驚くべきことに、小学生にしてすでにマーケティング的な視点があったのですね!
いくら小学生で一生懸命ギターを練習し歌っていたとしても、お金をもらえるかどうかは別の話。
路上ライブは趣味ではなく、あくまでも生活費を稼ぐためとして始めたのに、なかなかお金をもらえない日が続いた頃、「自分だったら立ち止まるか?」を考えるようになったそうです。
いや立ち止まらない・・・というか小学生が一人でオリジナル曲(全く知らない歌)を歌っている時点で、怖いし興味も持つことがないだろう。
じゃあどういう音楽だと立ち止まりたくなるか?
と考えた時すでに誰もが知っている曲だ!と思ったとのこと。
やはり私たちは知っている曲に興味を示すし、それが例えば自分の青春時代を思い出させるような曲だったりすると、自分の記憶とリンクしてさらにいい曲に聞こえたりしますもんね。
例えばミスチルのHANABIなんかは、ドクターヘリのあのドラマの感動的なシーンを思い起こさせてくれたりと、より一層その曲の価値を上げていると思います。
ドラマの主題歌が大ヒットするのと同じような効果があるということを、すでに気づいていたことに驚きました。笑
小学生にしてマーケティング力がヤバイ
知っている曲にすると少しずつ気になって立ち止まってくれる人が増えたようで、でもすぐにお金がもらえるようになったわけではなく・・・
そんなときに考えたのが、お客さんとの距離を近くすることだったそうです。
歌う曲目のリストを置いたり、リクエストを聞くことによってなるべくお客さんとの接点を持つようにしていたというエピソードがありました。
やっぱりその人はどんな曲を求めているのか知ること(リサーチ)で、さらに興味を持ってもらえるわけです。
リクエストをもらったら
「今は弾けないので歌えません。でも1週間後の同じ時間に必ず練習して歌えるようにしてくるので、ぜひ来てください」
と約束してリピーターになってもらったそうです。
こんなことを小学生の少年にされたらもう行かないなんて選択肢はないですよね。笑
その少年が生まれるずっと前の曲をこの1週間一生懸命練習することによって、お客さんとの絆が生まれ、そこでようやくお金をいただくことができた、という話が書かれていました。
SHOW ROOMでの投げ銭制度(オンライン上でのプレゼント)も、この経験を元にして生まれたようです。
金払いのいい場所を選ぶ
ちなみに路上ライブをされていたとき、なかなか人がこないなと思った前田さんは、なけなしの片道電車賃を使って白金(お金持ちの多い場所)に行ったそうです。
お金持ちの多い土地の方が気分良く投げ銭をくれる率は高まりますもんね!
小学生にしてすごいマーケティング力だ、、とびっくりしました。
余談ですが数年前、アフィリエイターの間ではゴルフの教材アフィリが流行っていたことがありました。
トップアフィリエイターさんがその教材によって、かなりの収入を得ていたので多くのアフィリエイターが真似した形になるのですが、なぜか想像つきますでしょうか!?
ゴルフをやる人というのは比較的お金持ちが多いからなんです。
明日食べるのにも困っている人から1〜2万の教材を買ってもらうより、お金持ちに向けて紹介した方がそりゃ成約率が高いのも当然ですよね。
ただそのトップアフィリエイターさんによると、貧乏な家に生まれ育ったためゴルフなどやったこともなく、、売るためにめちゃくちゃリサーチと勉強はしまくったそうです。笑
スキルが高いからといって応援したくなるとは限らない
この前田さんの弾き語りのエピソードから思ったのは、必ずしもスキルで勝負するのがいいとは限らないんだなということです。
もちろん最低限のスキルは必要なわけですが、めちゃくちゃ歌とギターが上手くなったからといって、そのめちゃくちゃ上手いを売りにしちゃうともうライバルは良過ぎるわけです。
そうじゃなくてまずは目の前の人を喜ばせるために自分ができることは何か?を考えること、そして自分のために歌ってくれているというストーリーをつくること、
これは現代の求められていることとしてすごく重要だなあと感じました。
本の中でもこれがすごくわかりやすく書かれているのですが、AKBなんてまさにそのいい例で普通の女の子が有名になっていく姿に対して、ファンが応援したくなり公演会場に通うようになるという構図ができています。
自分たちが応援しなければダメなんだ!感が必要なんですね。
昭和だとこの1年を代表するのは、この歌手のこの曲!!!みたいにみんなの中での流行りが決められていた感があります。
しかし現代は、有名人といっても狭いコミュニティの中での有名人という存在が増えたように思います。
それはなぜかというと、個人メディアが増えたこととともに、自分も応援して参加したいという人が増えたことが大きいんじゃないかなと。
例えば有名YouTuberの動画にコメントをしたり、アイドル総選挙に投票をしたり、クラウドファンディングに参加することによって、応援することが楽しいと思う文化になってきている気がします。
まあちょっと話が逸れましたが、ざっくりいうとスキルをひたすら磨くじゃないところで、どうすればお金をいただけるのかを試行錯誤した様子はすごく勉強になりました。
お金を払う人の求めているもの
その後も前田さんが、USB証券で死ぬほど働いていたガムシャラ期の話も続くのですが、やはり同じように人を大切にされていたエピソードが数多くありました。
結局はお客さんも人だから、人として好かれるために何をすればいいかを考えたという話。
ただクソマジメに仕事をする人だけが求められるわけではなく、お客さんを楽しませ、「この人から話を聞きたい」と思ってもらうためにやっていたことなどが書かれています。
前田さんが辛い学生時代も、ガムシャラ証券会社時代も頑張れた理由は、絆だったんじゃないかなとこの本を読んで思いました。
亡くなられたお母さんや、医師になる夢を諦めて前田さんを育ててくれたお兄さん。
その他たくさんの人たちへの感謝の思いがあったからこそ、ここまで頑張れたのかもしれません。
IT企業なのに絆?なんて予想外の考えはいつの間にか消え去っていました。
そしてマーケティングというと難しく感じるかもしれませんが、結局はどんな人が何を求めているか?
これに尽きるのだなあと。
立場やパラダイムの違う人の本当の思いを知ることは時に簡単ではないですが、ネットであっても結局は人対人であることを忘れずに発信をしていきたいなと思いました。
この本は何も難しいことはなく、全て前田さんが泥臭く実践された経験の宝箱のようなものでした。
最後にはSHOWROOMを作ってから、実際に出演してくれるアイドルに向けてのドブ板営業、飛び込み営業の話があるのですが、それがまた壮絶でした。
彼は仕事はできてもアイドル業界にはコネも何もなかったわけですから・・・一見上手くいっている人でも必ず想像もできないほどの苦労をしている、改めて考えさせられました。
人生の勝算 [ 前田裕二 ]
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